いにしえ峠道

既に記憶からも遠くなり忘れ去られた峠越えの山道を歩いてます

口神路峠(仮称)

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口神路の白山神社からのロケーション

この口神路峠は峠名称が残っていなかったので仮称としていますが、地域では何等かの名称が残っているのかもしれません。

峠としての記録は残されていなかったのですが、蛇行する長良川の護岸道(歩危)であるため、近代以前は山川の迂回路が取られていたと推測されること。
さらには、下流側の谷は神路の集落へつながる分岐点であり、その分岐点である山裾の麓に白山神社が祀られており、地図上で見たら神社脇側から延びる谷筋があり、その先が山の鞍部につながっていたことにより、古来は危険な川沿いを回避する道が郡上街道としてあったのではないかと予想しました。

以前からこの場所は気になっていたのですが、国道から見える口神路の白山神社に行く道がどこからつながっているのかわからず、一度は近くまで行ったのに判らず諦めて帰ったこともありました。

今回改めて国土地理院地図を見てみたら、旧道跡(点線)が記入されており確信を持ちました。

今回はたまたま、別の峠探索(栃洞母袋峠)の時間が余ったので帰りに神社入り口をようやく見つけることができ、そのついでにこの旧道を探索することにしました。

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神社の参道の入り口の谷(北側)筋を入っていくとまもなく森林にの中に入ります。
谷川に沿って分け入ると、山裾に突き当たりました。
谷を直登するほうが確実ですが、谷道はヤブやぬかるみで歩きづらいため、右側の尾根筋に取り付きました。(あとで気が付きましたが左側の尾根が正解でした)

小山ながらかなりハードな尾根筋をようやく直登したらそこは、高速のトンネル部の真上に出ました。
そこから西に向って尾根を下ってゆくと、鞍部がかなりざっくり掘れている場所があり、昨年の豪雨で崩れたのかと思って近づいたら、そこは尾根を堀り切った旧峠でした。

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こんなはっきりした峠道を見つけるのは久しぶりでテンションはマックスです。
斜面を下り、峠から南北の見てみるとやはり旧道あとが続いています。
北側の道は湾曲した斜面を下る道となっており、ジグザグに下りる道筋です。
南側はやはり谷筋にそって旧道が伸びていました。
北側の登り口を確認後、南の旧道を下りました。
倒木が何箇所かあり邪魔をしていましたが、道跡ははっきりしていて迷いなく下ることができました。(上り始めにミスチョイスした左尾根に道が続いてました)

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車を北川に乗り付け、北側入口の探索です。
ぐるっと山の護岸部を廻る国道からすぐに旧道(旧自動車道)があり、その道を入っていくと、建設会社の土場があります。
その山側(用水路を越えたところ)にお墓がありますが、その裏側が上り口となっています。こちらの旧道あとは植林のためかほぼわからない状況ですが登りやすい部分をジグザグに上がると鞍部に峠跡が見えてきます。


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これでパーフェクトです。
久しぶりの完道(峠道をきちんと確認できたという意味です)で大満足です!

ただ、北側の登り道は道跡もはっきりせず、崩れやすい谷部のため探索するなら南側から北に下るのが良いでしょう。(一番安全なのは南側にもどる方法です)

補足。
口神路の白山神社は小さなお社ながら、素晴らしいロケーションで見晴らしも良く、県指定の『六本ヒノキ』は圧巻でした!(よく数えたら九本の枝が出てますが何故?)


ちなみに、峠道に祀られていたであろう石仏は今は国道の下ろされています。

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