いにしえ峠道

既に記憶からも遠くなり忘れ去られた峠越えの山道を歩いてます

中山道鳥居峠(お楽しみ企画)

さてさて、
ゴールデンウィークお楽しみ企画の第2弾!

今回は、中山道の薮原宿と奈良井宿の間にある鳥居峠を歩いてみることにしました。
言わずと知れた中山道、天下の五街道を歩くわけですから、いつもの峠探索とは全く異なり、大都会に出た山野のこだぬきの様なおのぼりさん状態です(笑)

やはり、古道と言っても天下のタイドウですから、いつものような野生の感は必要ありません。
目をつむっても歩ける(嘘)

今回は、宿から宿まで歩きたいので、薮原の駅に車をデポし、帰りは奈良井駅から電車で戻ることにしました。(そもそもこれが安易でした)

天下の街道ですから、要所要所に案内板があり、手元にウォーキングマップなどなくても道を外れることはありません。(まあ、あったほうが安心ですが)


奈良井の街も落ち着いた街ですが、やはり天下の中山道の宿場町の風情が今も色濃く残り、駅前から線路伝いに続く町並みは、なかなか観光気分をそそります。

宿場町から再び線路を越えて山道に向かう入口には、鳥居峠への指標があり線路を越えた先には、街のシンボルのように極楽寺と薮原神社が並んでいます。
急ぐ旅でもないので、旅の安全祈願としてお参りさせていただきました。

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薮原神社は、明治以前は熊野社、熊野権現社と呼ばれいていたようで、天武時代からのご由緒を持ったお宮で、城壁の様な立派な石垣にお寺を思わせる入母屋造りの社殿正面でしたが、遠くから眺めてみたら立派な千木鰹木が並んでいました。

参拝をした時内部をよく見なかったことが悔やまれますが、本殿は覆屋の中に屋内社としてあり、立派な立川流の三間造りの社殿であったようです。(後日ウェブで知りました )

あまり物見遊山では前に進みません。
薮原神社を後に、鳥居峠に向って坂を登ってゆくと、そこには「飛騨街道分岐点(追分)」と表示があり、ここから鳥居峠に向かう中山道と、境峠を越えて奈川村へ入り、野麦峠を越える飛騨街道(奈川道)の追分がありました。
前日に野麦峠を越えたばかりだったので何だか感無量でした。(野麦峠のページ参照)

すぐ先には「尾州鷹匠番所跡」もありました。

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ここからは市街地を抜けてようやく山道が現れてきました。(入口近くに廃自動車が並んでいるのはいただけませんが)
山道は始め、車が入れる林道と重なっていますが、途中から林道を離れて古道を歩きます。
この入口を見落とすと、林道をひたすら歩くことになります。

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薮原駅から鳥居峠

石畳があるほうの道(看板表示の左側)へ進みましょう。(山頂付近では合流するため、迷うことはありませんが、景観は大きく違うでしょうから)

ある程度登ると、今歩いてきた薮原宿の町並みが見える高台まできます。
ここから丸山公園を越えれば、御嶽遥拝所があり、神社があります。

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神社を越えて少し行くと、道が二股に分かれていますが、右側の道は以前の古道で新道のすぐ上を通っていたようですが、危険なのか現在は下に新たな道が整備されています。

いよいよ峠ですが、道は林道(車道)と合流していて、山を切り開いて峠を越えています。(峠地点の指標もあります)でも何だか、風情がないなと思いながら歩くと、峠の休憩所が現れました。

よく見ると休憩所の横からさらに上に行く道がありそれを登っていくとありました。
旧峠は、林道峠の手前をV字に登るコンクリートの坂道を行けば直ぐあったようで見逃していました。(大した距離ではないので戻っても良いでしょう)

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峠を堪能し、すぐ奈良井宿に向いました。
奈良井宿に向かう古道は、来た道に比べるとなだらかな坂道で視界も開けていて、途中にある谷を越えるための木橋は何とも旅の風情を感じさせてくれます。

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鳥居峠から奈良井宿まで

中間地点にある中の茶屋(落書きだらけですが)を越えれば、道はさらに平坦で奈良井の街に近づきます。 途中に奈良井宿を遠望する展望台があるのでそこから町並みを見ると良いでしょう。

奈良井宿の町並みに入る手前で、石畳の道を過ぎると、小山を一つ降りなければなりませんが、そこが車道であったため、無精者の私は、山肌をショートカットしてしまいました。(スミマセン)

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最期は鎮神社に続く短い古道に出てゴールとなります。

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そこから続く奈良井宿は思いのほか長い街並みで、沢山の観光客に溢れていました。
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そうそう、今回の失敗点を伝えなくてはなりません(それが情報として一番大事なので)

今回薮原駅から車をデポして歩いたため、帰りは奈良井駅から中央本線に乗って戻らなくてはなりません。途中で時刻表をチェックしてビックリ、二時間待ちです(泣く)

なんと、8時40分発の後は11時27分まで普通列車が来ないのです。
7時に薮原の駅を出発した私は、ゆっくり歩いても9時半には奈良井宿に着いていて、もう後は観光するほかありません。奈良井宿を何度往復したことか(泣)

こんな初歩的なミスは迂闊な私にはよくあることですが、まさか天下の中央本線がと侮っていました!!

今回の反省点として、先に列車に乗り、行く先から歩いて戻るという行程にするべきでした。
そう考えると奈良井宿で車をデポし、列車で薮原まで行き、そこから歩くのが良いようです。

しかーし、ここで一つの問題は、奈良井宿は近くに公共の駐車場がないらしく、駅近くは有料なのです。(500円、休日だけか?)だから少し歩いて公共の駐車場に止めましょう。

==終わり==