以前、このブログで油坂峠を取り上げ記述しましたが、峠から福井県側のルートが主で、岐阜県の白鳥町へのルートは明確にすることができませんでした。
今回は、そのルートの入り口にあたる向小駄良の口番所跡からのスタートです。
口番所は国道156号線から158号線で油坂峠に向かう途中に設けられていて、藤路の桜という名所の入り口近くの旧道にあります。
越前および美濃双方からの人や物の出入りを監視するために江戸時代に設けられた関所です。
ここから、峠に向かい国道を登っていきますが、冬期(今も)は、旧峠が通行止めになっていて通り抜けできませんが、今回は途中から山道を歩くので大丈夫です。
旧道の入り口は旧油坂スキー場の下にあたる谷筋になっています。
ここに車を止めて歩き始めました。
以前の調査時に峠出口から急な坂を降りてみたのですが、旧道らしい道はすぐには見つからず、出口近くになってようやく旧道跡を見つけたので今回は逆コースで探索です。
堰堤のある谷筋を登ると、旧道跡があり葛折りを登って行くと谷が狭まってきます。
前回、この辺りから旧道跡を見失っていたのですが慎重に探したら、どうやら谷の先にある高速道路(現在供用区間)の油坂トンネルの入り口にぶつかりました。
どうやら、この道路敷設によって旧道跡がわからなくなっているようです。
足元を良く見ると、高速の土手下部に石を敷かれた階段状の遺物が残っています。
しかし、高速道路を越えた先がどのようになっているかわからないので、とりあえず直登し旧峠入り口まで出てみました。
改めて峠に向かい旧道を登っていたら、峠より数百メートル手間に右手に下る旧道らしきものを見つけこれまでの疑念が了解されますた。
今日、峠から白鳥側に降りる旧道ルートは、国道の開削により新たに変更された道だったのです。
実際の旧道は、途中からさらにもう一つ隣の尾根に伸びるルートでした。
そのルートは国道の擁壁に阻まれ現在は道路に降りることは困難です。(なので変更したのでしょう)
今回は強引に石垣を飛び降りました。
ちょうど尾根筋のカーブしている場所で広場に石碑が建てられています。
その広場の先にも旧道跡がはっきりと残っていて、この旧道の中でも最も整備された場所でした。
旧道を下り降りると案の定、登りで遮られたトンネル入り口の上部につながっていました。
これでやっと油坂峠旧道の全容が明らかになり、スッキリすることができました!
しかし、この道は高速に遮られ、途中で国道に寸断され、さらには藪の生い茂る峠旧道になっているので、人を連れて歩くのは困難です。
一人で歩く場合も十分な心構えと注意が必要ですのでご了解下さい。