いにしえ峠道

既に記憶からも遠くなり忘れ去られた峠越えの山道を歩いてます

2019-01-01から1年間の記事一覧

鷲見から一色に抜ける峠(県道惣則高鷲線)

このコースは高山市荘川町一色から郡上市高鷲町鷲見に抜けている惣則高鷲線にある峠部分だ。峠名は無いが古地図には県道となっている部分とほぼ同じ個所が点線で描かれ古来から峠道と認識されていたことがわかる。冬季閉鎖区間(5月下旬か?)であるため車で…

旧軽岡峠

現在の国道158号(472号供用)は荘川から高山に抜けている。途中清見に出る手前に軽岡のトンネルを抜けているが、以前はその北側を走る新軽岡峠を越えていた。旧峠のある場所の北を高速道路のトンネルが走っているが、国道と新軽岡峠は北側に山塊を大きく迂回…

道谷峠(大間見周戸から小間見大ヶ原に抜ける峠)

この峠は昭和初期改定の古地図にも道谷峠と記載されている。口大間見(旧弥冨小学校の在る場所)から大間見と小間見を遮る山の谷間にある峠だ。地図で見ても標高差は100m程度と峠道としてはとても楽なものだ。大間見の本道から円光寺の裏に入ると周戸の谷の分…

旧峠の面白さ

ここで取り上げている峠道の多くは、地図に示されていない旧道が多く、地図に示されている場合でも、その道は新たに作られた自動車道ではなく、それ以前に歩いてもしくは牛馬で越えた山道を指します。 そのような旧道は、近世以前から利用されていましたが、…

内ヶ谷峠再訪

美濃と越前の国境に近い、旧内ヶ谷峠への訪問は、今年二月以来二回目となる。二月にはまだ残雪が残り、旧道の確認などは難しい状況だったが、部分的には旧道の存在を確認することができた。今回は改めての旧道調査となった。内ヶ谷峠は旧大和村内ヶ谷の最北…

無名峠(小間見田代から大間見岩垣内に抜ける峠)

昭和初期の地図 昭和初期に改定された国土地理院地図の古地図を見ていたら見つかった名も無き峠道を歩いてみた。郡上市大和町の小間見の奥である田代から大間見の岩垣内に抜ける峠道である。小間見の集落が無くなるあたりから田代林道となる。Uターンできそ…

無名峠(小間見常保から大間見岩垣内に抜ける峠道)

秋には大イチョウの木が美しい 旧大和村の大和村史に掲載されている周辺の峠道の略図にあった無名の峠道を歩いてみた。 最初に小間見から登ろうと思い、入口にある諏訪神社周辺を探索してみたが、結構な急斜面の山麓には山道らしい跡が見つからなかったので…

六ノ里母袋峠(栃洞)

旧道入口の風景 この峠はわたしの峠探索の原点かもしれない。数年前、六ノ里の集落で、唄踊りの聞き書きをしていた時に、「昔は盆踊りがあると、隣村である母袋(もたい)へ下駄で峠を越えて踊りに行った」という話を聞いて、夕方のけっこうな山道をしかも下駄…

口神路峠(仮称)

口神路の白山神社からのロケーション この口神路峠は峠名称が残っていなかったので仮称としていますが、地域では何等かの名称が残っているのかもしれません。峠としての記録は残されていなかったのですが、蛇行する長良川の護岸道(歩危)であるため、近代以前…

檜峠旧道

檜峠は美濃白鳥から越前境を越えて九頭龍川の源流にある石徹白村に行く旧道です。 昭和33年に現在の県道が敷設されるまでは山道の旧道を歩いて越えるしかありませんでした。 しかし、この道は古来より美濃白山信仰の登拝道であり美濃禅定道とよばれ、往古よ…

油坂峠その2

以前、このブログで油坂峠を取り上げ記述しましたが、峠から福井県側のルートが主で、岐阜県の白鳥町へのルートは明確にすることができませんでした。 今回は、そのルートの入り口にあたる向小駄良の口番所跡からのスタートです。 口番所は国道156号線から15…

西坂旧道(郡上市白鳥町)

峠をテーマとするこのブログなので、峠とは関係ない山道は本来扱うべきではないのですが、ここは私の幼い頃の思い出が詰まった道であり、長い間その所在を探していたこともあって、思い入れが強い場所なのであえて掲載させてもらいました。-----------------…

袋坂峠

関市の津保川から飛騨金山に抜ける街道にある袋坂峠。 当初は近くにある小合峠から尾根沿いに歩いて見ようかと思ったのですが、あまり魅力的な山道でなさそうなので、直接こちらに来てみてた。 袋坂峠は新道にトンネルが開通しているので、トンネルの手間か…

放生峠

東濃に用ができたついでに、途中にある峠を探索してみた。 まずは、 前から気になっていた放生峠。 名前からして古風で仏教的である。 円空さんが修行で飛騨や尾張、関東に行く時に何度も通った裏街道だ。 郡上から下呂に抜ける途中の祖師野から南に抜ける山…

油坂峠旧道

油坂峠は越前大野と美濃白鳥の国境にある峠です。古来から越前街道、美濃街道とよばれ、北陸から東海にぬける主要道であります。室町時代には、越前の朝倉氏がこの峠を越えて郡上の東氏篠脇城を攻め戦となり、油坂峠の戦いで流した血の油がこの峠の由来であ…

峠に関する言説(柳田国男"峠に関する二、三の考察"より)

境の山には必ず山路がある。その最初の山路は、石を切り草を払うだけの労力も掛けない、ただの足跡であったのであろうが、獣すら一筋の径みちをもつのである。ましてや人は山に住んでも寂寞せきばくを厭いとい、行く人に追付き、来る人に出逢おうと力つとめ…

古道道とは?

古道を探索することはまさに"道を極める"ことだと思っています。たいてい"〇〇道"と呼ばれるものは、一つの修行を極めた先にあるそぎ落とされた感性の極地であり、死生観であり諦観であると思われますが、この道もその意味では一つの達観を求める修行である…

地蔵坂峠(旧郡上街道)

地蔵峠は旧郡上街道の一部であり、長良川の蛇行が生み出した岬のような地形をショートカットする場所にあります。美濃の立花にある立花山の裾野を越えて行く峠道です。国道156号線の立花トンネルのちょうど真上に位置します。今回は探索の必要はなかったので…

馬坂峠(大和町兼寄から上神路村に抜ける峠)

馬坂峠は大和町栗巣と神路路をつなげる峠(坂に近いが)だ。今はとても広い舗装路が整備されていて、車なら10分弱で越えられる峠です。新峠は鞍部をさらに30m程掘り込んであるため、走っていると峠という感じはしないが、周りは5~600mの山で囲まれているため…

内ケ谷峠(白鳥町越佐から内ヶ谷に抜ける峠)

内ヶ谷峠は国土地理院の地図にも明記されている峠名です。しかし、道路敷設はされておらず、白鳥町側からは林道(舗装)や途中から作業路が伸びていてますが、その後は谷筋を歩いていく他はありません。この時期はまだ雪に覆われていたため、古道を探すのは困…

いにしえ峠道とは?

古道と言えば、今よく耳にするのは熊野古道や中山道。最近では外国人の観光客が急増しているといいます。日本人は古来から宗教者や修行者など特別な階級の人に限られていました。、伊勢参りや観音巡礼など、長い徒歩旅を好んできました。それは、近世になり…

東俣峠(大和町上古道旧東俣村から明宝寒水への峠)

東俣峠は国土地理院地図にも記載してある峠道で、舗装路で峠越えすることができる。今回はまだ雪の残る古道跡を歩いてみたため、旧道あとをたどる探索はほぼ不可能ということで、歩きやすそうな場所をたどって峠まで出ることにした。いずれにしてもこの時期…

和那手峠(大和町小間見常保から栗巣西俣村への峠道)

この峠は大和町小間見常保から栗巣西俣村へ抜ける峠道にあるのだが、いずれからも林道が入っていて峠まで車で行くことができる。(現在は和那手からの作業道は工事中で侵入できない)車では侵入できなかったので、集落入口で住民の方にお話を聞いたら、峠まで…

フジモト峠(旧田之畑集落から小駄良西洞村へ)

大和町の中神路にある旧田之畑集落から郡上八幡の小駄良西洞村へ抜けるルートです。城下町の郡上八幡から小駄良街道を北上し、西洞村から峠を越えて神路に抜け、大和町の古道を越え、小間見、大間見を抜けて白鳥町那留から牛道街道へ抜ける古道の一部です。…