内ヶ谷峠再訪
美濃と越前の国境に近い、旧内ヶ谷峠への訪問は、今年二月以来二回目となる。
二月にはまだ残雪が残り、旧道の確認などは難しい状況だったが、部分的には旧道の存在を確認することができた。
今回は改めての旧道調査となった。
内ヶ谷峠は旧大和村内ヶ谷の最北部に通じる峠であるが、昭和40年代にダム建設予定地として集団離村が実施され、以前は小学校分校も二校あったが、現在は廃村となている。
今回も家から近い白鳥町の越佐側からの調査です。
越佐神社のある大洞谷を谷沿いに登っていくと何回か橋を渡り上流部に出ます。
本来の旧峠道はこの谷沿いにあったようですが、林道敷設と植林により山麓にはその痕跡が見当たりません。
林道(舗装路)は一旦谷筋を北に離れますがそのままゆき、南北に別れる二股を南に上ります。
道路は途中からダート(未舗装)になりますが、そんなに荒れていないので普通車でも大丈夫です。
そうすると行き止まりのちょっとした広場に出ます。ここからスタートです。
近くには石積みの古道跡も残っていて、旧道が通っていたことがわかります。
この先にも林道(クローラー道)が続いていますが、藪や崩壊がひどくとても車は入ってゆけません。
林道は堰堤の先が尾根で二股に別れているので峠に向かう谷の一つ北側の谷から尾根を巻いて登っています。(二月にはこの道を歩いて上流部まで行きました)
今回は古道調査なので、なるべく谷沿いを歩き旧道跡を探索しました。
昭和初期に改定された古地図にも古道跡が谷筋に記載されています。
尾根を巻いて峠のある沢筋を歩きましたが、尾根の斜面もどんどん勾配がきつくなり、旧道跡らしきものは見えません。結局は沢筋を歩くことになりました。
往時もかなり上流まで沢筋を歩いていたのだと考えられますが、この半世紀程の間に以前の地形は崩れてしまって痕跡が見いだせません。
さすがに沢筋も厳しく険しくなってきたので、無理やり傾斜のきつい斜面を登り林道まで上がりました。(もう少し早く登るべきでした。やはり安全を考えると林道でここまでくるほうが賢明です)
林道を少し行くと、内ヶ谷峠直下の小さな尾根筋まできました。
(なぜか古い車が放置されています)
尾根入口から右に巻いて登る道がありました。
緩やかな尾根をジグザグに登ると平な場所に出ます。
何か祭祀的な場であった感じのする岩があります。
石積みの跡がありました。このあたりから峠道跡がはっきりとしてきます。
峠手前の東に開けた場所から御嶽山が遠望できます。
峠の在るあたりが日の光で明るくなってきました。峠はもうすぐです。
左の木に(内ヶ谷峠)と書かれている。
峠を出るとすぐきれいな林道(未舗装)が現れます。
この谷(しょうけ谷)沿いに内ヶ谷に抜ける道があったようです。
今回はこの先は確認できませんでした。
この峠から北に向かう尾根筋を1000m程行くと越前県境となります。
今回の古道探索で、谷沿いの古道跡はほぼ跡形もなく分からなくなっており、谷沿いは傾斜がきつく危険であること。
峠に近い尾根筋部分は古道跡がかなり残っていることがわかりました。
安全性を考えると、峠下部の尾根入り口(車が廃棄されている場所)までは林道沿いに歩いたほうが賢明です。
(補記)注 谷沿いの旧道跡は数か所歩けないくらい崩壊しています。